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帰り道が永遠に続けば
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公園に戻ってくると
會下は何故かベンチに座って猫とじゃれ合っていた。
帰ってればよかったのに、と思いながらも
上江は彼に近付いていく。
「お!眼鏡あるとカミエちゃんって感じするなあー」
會下はこちらを見上げてはにこにこ笑った。
「先生も早く帰ってくださいね。
夜遊びは程々にしてくださいよ」
どの口が言うんだと思いながらも注意してやると
會下はじっとこちらを見てくる。
その俳優のように整った顔立ちに見上げられ
上江は思わず目を逸らしたくなった。
「え?送ってってくれないの?」
「女の子じゃないんですから...1人で帰れるでしょ」
上江の言葉に、ええー、と口を尖らす彼に
一体自分をなんだと思っているのかと呆れる。
「じゃあ僕が送っていきましょう!」
そう言いながら立ち上がる會下に
上江はあからさまに嫌な顔をした。
「はぁ?結構です」
「まあそう言わず。夜道は危ないですから?」
「1人で帰れます」
「....じゃあ、駅まで!駅まで一緒にいこ。ね!」
「......はあ..」
女子高校生のような事を言われ上江は眉根を寄せながらも
仕方なく途中まで一緒に帰ることにした。
猫を抱えたまま歩く會下の二歩後ろをついていきながら、何を話せばいいのかと考えようとして泣きそうになってやめる。
クリアーになった視界で、そのえりあしやらを見ていると心臓が高鳴って、自分に呆れてしまうのだ。
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