アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
12
-
「おれもごちそうさま」
その言葉に我に返った新は慌てて口を押さえた。新の頬に朱が走る。
「っ今何を」
「何って、ちゅう?」
「いや…はぁ、」
可愛い。確かに可愛いが何かが違う。と新は頭を抱えた。
「…誰にでもするのか」
「?しないよ」
あっさりと返す宮緒。混乱して頭がパンクしそうだと新は心の中で呟く。
「お前は…どれだけ俺を惚れさせたら気が済むんだ」
気持ちに際限がない、だなんて思いもしなかった。男を愛しい、だなんて思いもしなかった。一目惚れするだなんて思いもしなかった。新は嘆息する。
「新はおれが好きなの?」
僅かに目を丸くする宮緒。に、目を丸くする新。
「気づかなかったのか?」
「うん。何でってずっと思ってた」
宮緒らしい、と苦笑する。新は顔を引き締めて宮緒に向かい合った。その真剣な表情に宮緒も箸を置き見つめる。
「俺は宮緒が好きだ」
「うん」
「良かったら俺と付き合うことを考えてくれないか」
覚悟を決めて聞く。どうにでもなれ、と新は開き直った。
「―――うん、いいよ」
「は?」
予想外すぎる予想外の言葉に目が点になる。
「お前、付き合う意味が分かってるのか?」
「うん、恋人だよね」
「…ああ」
宮緒は何を当たり前なことを、と思いながら言う。流石にそれくらいは分かっているようだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 14