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「あ、終わったぁ?わざわざ結界張ってあげたんだねぇ」
男の周囲には先ほどの猫たちの半数が倒れている。
不安に駆られる俺に気付いたのか、彼は振り返らずに言った。
「安心せい。死んではおらん」
「え?」
「そうそう。ご丁寧に一匹一匹に守りの呪(まじな)い掛けてるんだもん。
どうしてくれるのさ、食べられなかったじゃない」
原理は分からないが、ひとまず彼のお陰で猫たちは死んでいないと分かってほっとする。
「*****」
彼がまた何かを唱える。
すると倒れている猫たちの身体がふっ…と光に包まれて消えていった。
それを見届けると、残った猫たちは彼の元へと集結する。
「あの人間を任せる」
その言葉に猫たちは返事をするかのように一つ鳴き声を返すと、今度は俺の周囲にやってきた。
沢山の猫に囲まれているというこの状況、普段なら嬉しくて堪らないのに
事態が事態なだけに、素直に喜んで良いものか分からなかった。
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