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「はあっ…はぁっ…ゲホッゴホッ…」
一体どれだけ走ったのだろう。気が付けば、俺は古い神社の境内に迷い込んでいた。
本能的に、神聖な所には近寄れまいと思ったのだろうか。
「ここ…どこだ?」
かなり闇雲に走ったからか、見覚えのない風景に首を傾げる。
「───もーいーかーい?」
「!!」
「見ぃつけたぁー」
いつの間に。全く音がしなかった。
振り向いた時には時既に遅く、歪んだ赤い眼光が俺を見下ろしていた。
「…っ」
声を上げる間もなく、首に衝撃が走る。
いとも簡単に、地面から足が離される。
一体どこにそんな力があるのだと相手をねめつけた。
しかし、俺のそんな悪足掻きなどさして意に介していないという風に男はただ愉悦に顔を歪めている。
「普通に追い掛けるのも楽しいけど、やっぱり疲れたところを痛めつける方が何倍も楽しいよねえ」
「! ずっと、見て…っ」
その言葉にずっと監視されていたのだと悟った。
「滑稽だったよー。笑いが止まらなくてどうしようかと思っちゃったもん」
「ゔ…っ」
更にギリリと込められる力が首に食い込む。
落ちそうで落ちない意識。
完全に遊ばれている。
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