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「出かけるぞ」
「…へ?」
寝起きの、開眼一番。よだれを垂らして寝ていた俺に、彼――八代君はそう言った。
「ちょ、待って、出かけるってどこに?」
珍しく陽があるのに起きている彼。スタスタと玄関に歩いていく八代君を慌てて呼び止める。
「来れば分かる」
「ええ…」
疑問が残りながらも支度を終え、玄関で待つ八代君のもとへと大急ぎで行く。
「お待たせ!」
息せき切る俺を見ると、八代君は組んでいた腕を解いた。
そして、たじろぐ程に鋭い眼で俺を見上げた。
「良いか、宗介。これからお主が見る世界はこれまでのものとは異なっているじゃろう」
「…異なる?」
「あれらは視えている者がいると気付けば寄ってくる。見るなとは言わん。じゃが、決してワシから離れるでないぞ」
「? え、どういう事?」
「…見れば否が応でも分かる」
ドアが八代君によって開かれていく。
久しぶりに感じる外の空気が、頬を撫でていった。
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