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「へ?わわ、何、何!?」
「落ち着け。これ、お主も降りよ」
「にゃ~」
え?猫?
モフモフの感触がなくなって、見下ろすとそこにはあの晩、俺を家まで送ってくれた猫がいた。
「ここ最近、お主の運が良かったのはそやつのお陰じゃ」
「え、でも、その時この仔は確か札の姿だったんじゃ…」
「あの晩、お主に貸したのはその札の期限が近付いておったからじゃ」
「期限?」
「言ったじゃろう。こやつらはこの札を依り代とし肉体を得ねばこの世には居られん。
元は霊魂故に吸収した穢れやダメージは全てこの札に蓄積される。それらは浄化する事で軽減されるがワシにその力は無い。
故に、限界を迎えた札は自動的に消え、宿っていた霊魂は一度あの世へと還り、またワシが作った新しい札に宿るのじゃ」
「へー…何か、消費期限みたいだね」
「…………」
「ご、ごめん…」
凄い眼で睨まれてしまった。
…ん?あれ、待てよ
「あれ? でもこの仔ずっと俺の所にいたよね?」
八代君と会った日から、ずっと手帳に挟んでいた。俺はそれを毎日のように見ていた。
札が消えてしまえば直ぐに分かったはずだ。
「正直ワシも驚いておる。前にお主がワシに札を見せた時、札が白く回復していたからの」
「白く…? あ!そういえば、何か最初よりも白くなったような気がしてたんだけど…これってどういう事?」
くしくしと毛繕いをする猫にチラリと視線を移す。
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