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杉野仁12
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「あんのジジイ。人を勝手に保健室まで引きずっておきながら、あんなに簡単に帰しやがってふざけんなよ」
や、別に引き止めてほしかったわけではないし、寧ろオレの体のことを黙って帰らせてくれた事には感謝しても良いんだけど。
.........でもなんかムカつく。
吐き気もすっかり引っ込み、口をゆすいでソファに寝転ぶ。
寝室にちゃんとベッドはあるが、いつもソファか床で寝ているからあのベッドを寝る為に使ったのはほんの数回しかない。
肩の痛みのせいで寝返りを打つこともままならず、今夜もまた眠れなかった。
───翌日
今日は、清水と出会わず教室まで辿り着いた。
2日連続で寝不足な頭にはあいつの声は響きすぎるからラッキーだ。
自分の席に座り、特にすることもなく出来るだけ右肩を動かさないよう窓の外を見る。
「白石ー、いるー?」
ドアの所に立っている男子生徒がオレの名前を呼んだ。
「はーい。いるよー」
極めて明るく返し、立ち上がる。
その時ふらっとよろけたが持ち直し、その男子に近づいた。
「先生が白石呼んでる」
「先生?オレなにかしたかな?」
担任の小森だろうか。わざわざ呼ぶとかだるいな。
自分が来いよ。
そう思いながら、その男子に笑ってありがとうと言うと、そいつは少し赤くなり、いや、うん、と頷いてグループの輪に入っていった。
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