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プライドvsプライド -13
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「…熱あんの?」
それでもやはり様子がおかしいので
相手の方に体を向けながら問いかけた。
先ほどの夢のせいで頭の中が相手で
いっぱいになっていた俺は、
自分こそ頰が赤くなりそうなのを
必死に抑えながら相手の目を見た。
「…いや、別に」
「顔赤いし」
「うるせぇ…」
達の様子はどう見てもおかしかった。
俺が話しかけるたびにどんどん顔が
赤くなっている気がする。
何より、俺はこんな達を今まで
見たことがない。
女子にどれだけ密着されようが
顔色一つ変えないし、
どんな場面でも冷静に、余裕で対処する。
そんな達が今なぜか少女漫画の
主人公のようになっている。
いや、普通に可愛いよ?
女の子だったら持ち帰るよ?
「えーと、何、媚薬でも飲んだわけ?」
ここは俺が主導権を握るチャンスだと
思い、咄嗟にからかう。
「……変態」
キッと睨まれたがその目にもはや
威圧感はない。今なら喧嘩しても勝てそう。
「あーそうだ、確か飴を持ってきたから
やるよ、なんかあの箱の感じだと
体調よくなりそうなやつだった気が…」
そう言って鞄の中を漁る。
あ、あったあったこれだ。
手の感触をそのまま机の上に
叩きつけるように置いた。
「………」
その途端、達の顔がみるみる
赤みを増していく。
あれ?どうしたんだ…?
「お前…からかうのもいい加減にしろ」
突然そう言い放つと達は俺の腕を
強く握り強引に引き始めた。
「はっ!?…ちょ、お前何してんだよ!
おい、離せよバカ」
そのまま教室を出て階段の方へ向かう。
周りの人はこう、なんとも言えない
表情を浮かべていた。
人の目線も痛いし腕もいてーよ、
なんだよこの状況。
「なあ!もう授業始まるって!」
始業の時間が近づき、廊下からも
生徒がどんどん減っていく。
抵抗しようにも力では達を振り払えない。
同じぐらいの強さで引っ張って
その場にとどまることは出来たとしても、
逆に達を引っ張るぐらいの力は
俺にはない。
そして気付けば保健室まで連れて行かれた。
…は?保健室…?
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