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虎汰郎side
「ありがとな」
そう聞こえたのは覚えてる。
それから、
「気づいたか」
視界に間瀬さんの顔が入る。
普段とは違ってすっごく優しい顔を浮かべている。
それを見て俺はもう一度目を…
「おい、寝るな」「ふあーい」
両手で顔を挟まれた。
「その調子だと大丈夫か?」
「まあ、精神的には?」
「…手当てする」
すっかり昨日と逆になった。
本当はこうなるはずじゃなかったのにな。
「虎汰郎、服脱げ」
素直に服を脱ぐ。途端に間瀬さんの表情が濁る。
「痛くないか?」
痛い。とっても。
正直泣いていたいぐらい。
でも、「間瀬さんのよりは大丈夫です」
間瀬さんは俺の2倍以上、しかも腹だけが殴られている。
見た目だけでもどちらが痛いかなんて一目瞭然だ。
「そういう問題じゃない。俺はケンカ慣れしてるから殴られても体ができているからいいけど、おまえは慣れていないから体も弱い。同じ威力をくらっても感じ方は違う」
「でも、痛いですよね?」
間瀬さんの制服のシャツをめくる。
筋肉がついたお腹に黒いあざ。
「血がしみるぐらいだ。殴られるのが久しぶりだったから最初は痛く感じただけ。いまは全然。それよりも右腕だせ」
素直に右腕を出すと手当てをし始める。
「おまえはほっせえし、軽いからケンカなんてすんな」
「でも、俺だって筋肉ぐらいついてますよ」
間瀬さんの手を俺のお腹に当てる。
一応鍛えているつもりだ。
「ほら」
そう言いながら間瀬さんの方を見ると
「どうかしましたか?」
なぜか俯いていた。
「うっせ、なんでもねぇ」
恥ずかしがってるのかな?
かわいい。
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