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学校へ行かなくなってから一週間はたっただろうか。
今日もゴロゴロとしている。
何回寝ても、虎汰郎を思い出してしまう。
この家にある虎汰郎のもの、取りに来てくれないかな。虎汰郎のものを見るたびに考えてしまうのが嫌だから。
それで取りに来てもらった時に少しでも話ができないだろうか。
なんて。
だめだな。
うだうだ考えていた時、
ガチャ
ドアが開く音が聞こえた。
誰だ?と少し考えてすぐに答えが出て来た。
あいつか。
体を動かし、下へ行く。
「裕太さん」
「あれ、一夜くんいたの?」
「ああ」
いつぶりだろうか。でも全然変わってない。変わってしまったのは俺だけ。
「久しぶり」
そう言って裕太さんは笑う。
その笑顔に心が何も反応しなくなったのは俺だけだ。
笑顔に心が反応してしまうのは今はもう…。
「一夜くん?どうしたの?泣いてるよ?」
「…なんでもねぇ。」
俺の頭ん中、本当に虎汰郎しかいないんだな。
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