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虎汰郎side
まだ人が少ない登校時間。
俺は一夜さんの下駄箱の前にいる。
一夜さんのロッカーを開くと踵の踏み潰された上履きが入っている。そこの上に昨日書いた手紙を入れる。
内容はただ
『話があります。放課後、屋上で待ってます。高野虎汰郎』
とだけ。
こうやって朝早くに来てロッカーに手紙を入れるなんて告白するみたいだ。
その状況に恥ずかしくなってそそくさに教室へ行く。
時間が経つと続々とクラスメイトが来るけど話しの内容が右から左へ通る。
今から気になってしょうがない。
手紙見てくれたかな。捨てられたりしてないよね?
放課後、何から話そう。どう言おうか。
どうすれば伝えられるかな?
緊張やらなんやらと、気持ちが落ち着かないまま授業を受けた。
こういう時は時間が長く感じるもんで、HRが終わった時にはもうくたくただった。
「じゃあなー」
「……おう。」
友達に気の無い返事を返す。
バッグに適当に教科書を詰め込んで屋上へ行く。
「一夜さん……」
床に座って外を向いている一夜さん。
ゆっくりと振り向く。
その表情は悲しそうな顔をしていた。
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