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いち
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「一夜、起きて」
ずっと何回も聞いた声。
でもいつまでたっても飽きない声。
その声に起こされる。
「ん〜〜」
寝返りをうって布団を被る。
「こら、二度寝しない」
そう言ってバッと布団をめくられる。
「う、寒い」
冷たい空気に触れ、丸まって暖をとる。
「ほら起きて」
悪魔だ。
手を引っ張られて仕方なく起きる。
「おはよ」
「……はよ」
「もうご飯できてるよ」
「ん」
階段を降りるとトーストのいい匂いがしてくる。
「ん…ねむ…」
でも、食欲より眠気が勝って、虎汰郎の肩にもたれかかる。
「学校遅刻するよー。」
「んー?」
それでも虎汰郎の肩に頭を擦り付ける。
「もー」
ずっともたれている俺に対してため息をつき、一人でご飯を食べ始める。
「いただきまーす」
サクッと隣でトーストを食べる音がする。
「ほら、一夜」
トーストを俺の口の前に差し出され、一口食べる。
「あとは自分で食べて」
「んー?虎汰郎がキスしてくれたら起きる」
「はいはい」
ちゅっ
そう言ってキスした場所はほっぺ。
「…そこじゃない」
「いいからほら食べて」
半端同棲しているような感じでいつもと変わらない生活
。
ただ前よりも俺の扱いに慣れているような気がする。
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