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「11月ってこんなに寒かったっけ。」
「それ毎年思うもんだよ」
玄関を開けて寒い風に当たり、身を縮こませる。
「でももう12月まで一週間じゃない?」
「寒いの嫌い」
「一夜は嫌いそうだね」
「夏にならねぇかな」
「早いよ〜」
でも意外と早いんだよな一年って。
来年は俺、高校卒業だし、
「…やっぱ冬でいい」
「何、急に。でも俺は冬好きだよ。たくさん行事があるし。」
「ああ」
俺の就職先はとある建築事務所ともう決まってて四月からはそこへ行く。
そしたらもう、今みたいな生活は終わる。
「虎汰郎、今日サボりたい」
「ダメ。就職先決まってるから留年だけは避けなきゃ」
「…ん」
それっきり黙っていると、
「午後からならいいよ」
「ん」
「その代わり明日はサボらないこと」
「…ん」
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