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chapter Ⅴ ※流血あり
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真夜中、ある屋敷で悲鳴が響く....
バキッ グチャッ
「ひぃぃぃぃ、た、たすけっうぐっ」
ドカッ ガンッ
「く、くるなぁぁっ!あがっ」
骨の折れる音、肉の潰れる音、
耳障りな悲鳴。
視界が、赤く、紅く、染まっていく。
辺りに転がるただの肉塊が悪臭を放つ。
空虚なガラス玉のような瞳が
あちこちに存在した。
側に控える雪はまだ意識のある奴の
傷口を抉っては楽しんでいる。
「ふふ、良い顔しますねぇ」
『次』
「はい」
奥へ奥へと進む度に行かせまいと
襲ってくる奴らを沈め、
目的の場所へと近付く。
「ここですね。開けます」
バンバンバンバンバンッ
俺が頷いたのを確認して雪が襖を開くと
発砲音が鳴り響いた。
柱の影に隠れたまま忍ばせていた物を
取り出し、安全装置を解除する。
乱射のしすぎで弾切れしたらしく
音が止んだ瞬間、構えたまま中へ入る。
中には、一人の男を守るようにして
四人の男がいた。
「てめぇら、何モンだ?」
変装しているのだ、俺が誰か分からなくても
仕方ないが、
低く唸るような声音で問われた所で
俺達がそれに答える義理はない。
無言のまま銃口を向ける。
「ブツは、どこです?」
あくまでも静かに、雪が問いかけた。
「....何の事だ」
「隠しても無駄ですよ。売人と取り引き
していたことは、既に吐かせましたから」
「くそ....組の奴か」
ようやく俺達の正体が分かったらしく、
苦々しく歪められた顔に恐怖が浮かぶ。
うちの組の掟を破ったのだ、それなりの
報いが待っている。
うちは特に、こうゆうことに関して
厳しい。親父が、嫌うから。
「ま、待ってくれ....これには理由が」
『関係ない』
「分かった、教えるっ、地下ある!
だか、」
ーーーーー
「あ゛ぁぁぁぁ!!」
引き金を引くと、音もなく弾が男の脇腹を
貫通した。
飛び散る血と、悲鳴。
苦痛にのたうち回る無様な姿に嘆息する。
鳩尾に一発蹴りを叩き込んで落とす。
雪の方は腱(けん)を切った上で
両肩を外し最後は踵落としで
昏倒させていた。
「お疲れ様でした」
『ん』
今回俺達が始末を頼まれたのは、
最近金回りが良くなったと評判の
嵐山組。
調査によるとどうやら売人と
手を組み、薬に手を出していたらしい。
これを聞いて激怒した親父から
俺に依頼が来た、というわけだ。
勿論断る理由はないので
新歓終了後直でここに来た。
学園にいると鍛練が出来ないため
鈍るかもと心配になっていた所に
丁度良く仕事が舞い込んできた。
少しは良い運動になっただろう。
今日でこの組は終わった。
組長以下幹部はこれから
それなりの罰を受けることだろう。
そのためにわざわざ殺さず
半殺しに留めたのだ。
「終了しました。ええ、始末を」
外で待機していた組員に回収を
命じ、俺達は車に乗り込む。
「若、本日は本家に戻られますか?」
『ああ』
「分かりました」
どうせこのままの姿では寮に戻れない。
血にまみれたこの姿では...
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