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不思議な後輩 2
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気温はそんなに高くはないのだが、
痛みに耐え続けているせいか汗が額を伝う。
それを拭いながら正面玄関から校舎内に入り、靴箱に辿り着いた。
「はぁ...」
呼吸を整えながら、
自分の名前が刻まれた靴箱の戸を開ける。
硝子は戸を開けたままの状態で暫くただ息を吸って吐いてを繰り返していた。
そこには入っているはずの自分の上履きがなかった。
ずきんと腰が痛んで、思わず声が出そうになり咄嗟に唇を噛んだ。
ぱたんと戸を閉めて辺りをキョロキョロと見回した。
「ちょっと邪魔」
「...あ、すみませ..」
後ろからやってきた女子生徒に睨まれ硝子は慌てて避けた。
彼女はさっさと上履きに履き替え、横目で軽蔑したような視線を送り、先に待っていた女生徒に駆け寄った。
「なにあれ」
「きもちわるー」
笑い合いながら二人は去って行く。
次々に校舎内へと消えて行く生徒達。
硝子は邪魔にならないように避けながら上履きを探した。
もういいかな、無くても。
そう諦めかけて天井を仰いだ。
「....あ。あった..」
上履きは靴箱の上に乗せられていた。
姑息なイタズラだったが、硝子は見つかってよかったと思いながらそこへと手を伸ばす。
しかし届かない。
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