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不思議な後輩 5
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好き。
硝子はその言葉の意味がわからなかった。
知らない国の言葉を聞いているような気分で、ぼけっとしていると恭介は跪き綺麗に上履きを揃えて置いてくれた。
「....許されることだとは思ってないですけど..でも...っ」
彼は跪いたまま泣きそうな声を出した。
硝子はいたたまれなくなって同じようにしゃがみこみ、
そっと彼の髪に触れた。
「な、泣かないで...俺は平気だから..」
「....先輩」
顔を上げた彼と思ったより顔が近くて、
硝子は慌てて上履きを抱きかかえるとふらふらと立ち上がった。
「大丈夫だから...気にしないで、ください」
そう言いながらも
ぺこりと頭を下げ逃げるように校内へと入って行った。
彼が一体どういう考えで行動に至ったのかはわからないし知る由もなかったが
きっとこれは報いだから、と思えばなんてことはない。
だから、謝る必要なんて、ないのにな.....。
硝子はそう思いながらも、
きっともう関わることもないだろうと高を括って
教室へと急いだのだった。
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