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贅の限界値 7
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「........すみません」
何をしても迷惑しかかけられない。
悲しくて歯痒くて、硝子はまた涙を溢れさせてしまう。
「謝らないで下さい、俺がしたくてしてるんだから」
なんでこんな風に優しくしてくれるんだろう。
恭介は暫く頭を撫でてくれていたが、
やがて硝子が落ち着くと立ち上がった。
「お腹すいたでしょ、おかゆ作ったんで持ってきます」
そう言って彼は、ぼやけた視界の中から消えていった。
おかゆってなんだろう..。
どうでもいいことを考えながらも硝子は手の甲で
目をこすって泣き止む努力をした。
やがて、ベッドサイドにある机の上に眼鏡を見つけ
硝子はようやく視力を取り戻すことが出来た。
そこは見知らぬ部屋で、
今寝かされていたベッドも見知らぬものだった。
あまり物のないシンプルな部屋だ。
硝子の中で最高の寝床は保健室のベッドで
こんなにふかふかで暖かいベッドになんて寝たことがなかったから、
自分が寝ていいわけがないと床にずるずると降り立っては三角座りをした。
本当は布団を綺麗にしたいところだけれど、
身体が重くて動けない。
ここはどこなのだろう。
もしかしていずみくんのお家かな...。
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