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「母さん……相談があるんだけど」
「あら、どうしたの?」
「怜がさ…近々挨拶に来たいって言うんだけど…いつなら都合いいかな」
キッチンで忙々と手を動かしていた母に背後から話しかけると、母は俺の言葉を聞き勢い良く振り返った。
「私はいつでも大歓迎よ!お夕飯食べ終わったらパパにも聞いてみるわね」
母はそう言ってルンルンと鼻歌を歌いながら上機嫌で料理を運んで行った。
俺も母の後に続いて料理を運び、席に着く。
4人全員着席して手を合わす。
久しぶりの母の手料理は、やはり美味しくて。
やっぱり母に料理を教わってみようかと一人頷いた。
「パパ、ちょっとお話があるんだけどいいかしら」
相変わらず凄い量の夕飯を食べ終え満腹になり、4人で母が淹れてくれた食後の珈琲を飲み始めた所で母が徐に話を切り出した。
父は母の問い掛けに珈琲を飲みながら頷く。
……多分、父も母と同じく偏見等無い事は分かってはいるものの。
やはりそれが自分の息子の事だとするとどうなのだろうかと、少し心臓の鼓動が速くなる。
もし、受け入れてもらえなかったら?
別れろと言われたら?
…そう思うと胃の辺りがキリキリと痛む。
マイナス思考なのは俺の悪い癖だけれど、中々治せそうもない。
「実はね、由良ちゃんの彼氏さんが家に挨拶に来てくれるみたいなの。でね、いつならパパの都合いいかなあって聞きたかったんだけど、どう?」
母は何の問題も無いかの様に、あっけらかんとした様子で父にそう尋ねた。
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