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17(最終章)ー2
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「いや、けどまあ、お前はほんまに画家向きやな。
洋画でもほんまに絵ぇばっかり描いとったん、泉だけやもんな。
俺は美術と全然関係ないとこに就職してしもたし、杉本はパソコンの会社やろ。
なんやゲームソフトのキャラクターデザイン、とか言うとったけど、
ほんまのところは営業らしいわ。」
「へえ。」
友人が身を乗り出した。「画家、なるんか。」
「まさか。プロじゃ通用しないよ。」修平は笑った。
「そんなことないで。なんやおまえ、びしいっと一本テーマが決まっとるやんか。
そういうのん、なかなか持たれへんもんやで。」
修平は、ないない、というように苦笑いで手を振りながら、
何気なく展示スペースのほうに顔を向けた。
とたんに顔色をかえて立ち上がる。
「なんや、どないしたん。」
ここからは直接は見えない、展示スペース。
間にはロールスクリーン。
そのスクリーンに、展示スペースからのライトが客の影絵を映し出している。
その、影が。
逆立った髪、頭上に角・・・。
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