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「は......あ......はぁ......」
3分の2ほど入った所で、奥に当たった感じがあった。その先は、苦しさと共に狂うほどの快楽があるのを俺は知っている。普通のセックスじゃ届かない場所。そういえば、初めてS字を開発してくれたのは一豊さんだったと思い出した。
「一豊さん......シて、俺の良いとこ、全部シて......」
ステージの上でライトを浴びながら、俺は一豊さんだけを感じる。この世界に連れてきてくれたのは父さんだけど、その後色々なことを教えてくれたのはこの人だ。全てを委ねられる。今までのことが全て蘇ってくる。あぁ、俺はいつだってこの人に愛されていた。激しく責められながらも、イき狂わされても、全て委ねられたのは愛されていたからだ。
「あっ、ぁ、ぁ、あ、あぁ......っ!」
涙が止まらなかった。永遠にこの場所で愛されていたかった。この場所こそが、俺と一豊さんに一番似合う場所なのだ。
射精を伴わない絶頂を何度も感じながら、いつの間にか全部入れられていた。足を下ろされても腰が砕けて立ち上がれない。腕もほどかれると、俺はへたりと床の上に倒れた。
一豊さんは痙攣する俺の腰を持ち上げ、俯せで尻だけ突き出す格好にさせると、アナルパールを一玉ずつゆっくりと引き抜いていった。途中で押し戻されたり、ぐるぐると回される度に演技以上の声が漏れるのを抑えられなかった。終わらないで、もっと縛って、もっと犯して......けれどもついに先端まで抜けてしまうと、一豊さんは俺の身体を起こして客席を手で示した。鳴り響く拍手の中、俺は悠然と微笑んでみせた。
ああ、終わってしまった。でも、最後までミヤビとして、俺は一豊さんに支えられながら立ち上がった。
「ありがとう。今日もたくさん来てくれて嬉しいな」
司会役からマイクを渡されて俺は挨拶をする。
「今日はね......一つ、言わなきゃいけないことがあるんだ。今まで勝手に休んだり、色々我が儘通してやってきたこの仕事......今日で、引退します」
俺の一言で客席は一瞬静まり返り、そして今度はざわざわと騒ぎ始めた。
「理由は内緒。今までありがとう。最後まで楽しかった」
一豊さんは、引退の挨拶はしないという。わざわざ言う必要もない、と言っていた。元々緊縛師という肩書きに拘っていたわけでもないから、と。
まだざわつきの静まらない客席に向かって俺は一礼した。その時、いつもの位置に轟さんを見つけて、口パクで「後でね」と伝えた。轟さんは完全に固まってしまっていて、気づいたかどうかわからないけど。
一豊さんのエスコートで俺は舞台の上から立ち去った。もう、あの光の中に立つことはない。
「一豊さん」
「うん、おつかれ」
「......ん」
「本当に良かったの?」
「......うん」
元の自分に戻って、一豊さんの腕の中で少し泣いた。
「......帰る前に、少しだけ、いい?」
もう、会場にも戻らずに帰る予定にしていた。けれどその前に轟さんにだけはきちんと挨拶しておきたいと、一豊さんにも話してあった。
「いいよ。行っておいで」
その時、息を切らせた轟さんが楽屋の前にいることに気づいた。俺は一豊さんの手を離すと、轟さんと向かい合った。
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