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はだかの王子様13
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「エドワードさんっ!今日は、ホントにありがとうございましたっ!」
部屋に入るや否や、ライル王子は長身の執事にギュッと抱きついた。
「っ…ライル様」
「お父様がお祝いしてくださるなんて!やっぱりエドワードさんは魔法つ…!」
言いかけたライル王子は慌てて口を両手で押さえた。
その様子に、執事は楽しそうに目を細めた。
所変わって現国王の第一王子であるファイム王子の黄金の部屋では、普段は聡明で物静かと評判のファイム王子が、金髪碧眼の執事に向かって声を荒げていた。
「ユリール‼︎なぜ僕があいつの誕生日など祝わなければならない‼︎しかも新しく執事が付いたなど、僕は聞いていないぞ‼︎」
「あの執事は、先日付いたばかりで」
碧眼の執事はその様子に驚くことなく淡々と告げる。
「だがお前は知っていたはずだ!あいつの身辺をお前に調べさせているのはあいつに執事を付けさせる為ではない!あいつを貶める機会を伺うためだ!それなのにまんまと執事を付けさせるなんて!」
怒りの収まらないファイム王子は、手近にあったクッションを執事に投げた。
「…申し訳ございません」
動じず頭を下げた執事を見て、ファイム王子は不機嫌そうに髪をかき上げた。
「はぁ…もういい。どうせフラーの仕業だろう」
「恐らく」
「ふんっ、どの程度の執事か知らないが一歩城に入ってしまえばこちらのもの。あの執事共々消すまでだ。…ユリール、疲れた。寝室まで連れて行け」
「…仰せのままに」
執事はファイム王子を抱き上げると、寝室へと足を向けた。
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