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「なんだこの広さ…」
マンションに着くなり、辺りを見渡しながら開口一番に優吾が呟いた。
俺的には特に、対して凄い所に呼んだ意識が無いから、妙に恥ずかしい。
「あ、あまり見ないで下さい、慌てて用意したからレイアウトとかめちゃくちゃで…」
「いや、家具とかもなんかお前とセットなだけで高そうに見える…お前凄いわ…」
「ありがとうございます」
優吾にとってそんなに豪華な部屋に見えたんだろうか、だとしたら失敗だ。
もっと安い所を探せば良かったと、紅茶を淹れながら後悔する。
元々優吾と2人で住む為に用意したんだ、優吾が気に入らないと意味が無い。
未だに部屋の端で立ち尽くしている優吾を呼び、紅茶を出しつつソファに座らせる。
ソファに座るのにも、恐る恐る座っている。優吾の為に用意したんだから、気にしないで楽に座ればいいのに。
「一息ついたら今後の事を考えましょうか」
「ああ…そうだな…、お前紅茶なんか作れるのか」
「喫茶店でバイトしてたんです」
「…よくそんなに掛け持ちしててバレなかったな」
「今現にバレてますよ」
くすくす笑うと、優吾も俺に合わせて笑った。やっと笑ってくれた。
さっきもやっと手を繋いでくれた。
惚れさせると俺から言ってしまったからには、俺から手を出すのは躊躇われた。
だからさっきのは本当に嬉しくて、思わず固まってしまった事に、また密かに後悔する。
そんな優吾との時間を、俺の携帯が邪魔をする。
「…すみません、すぐ終わらせるんで待ってて下さい」
「おう、俺は気にしなくていいぞ」
優吾の優しさに思わず口が緩む。
よし、さっさとこっちを片付けてやる。
キッチンに戻り、口の緩み直して、通話ボタンを押した。
『遼介?今どこ居るんだよ!この後も雑誌の』
「すみません明日には戻ります、今日は、もう…」
『…分かった。お前もデタラメ言われて疲れただろ、こっちは何とか収めるから、ゆっくり休め』
「…ありがとうございます、失礼します」
思わず怒鳴りそうになった…。
デタラメ?何言ってんだこいつ、事実に決まってんだろ。早くこんな仕事辞めて優吾と同棲すんだよ。
予定通り早く片付いたから、リビングに戻り、優吾の顔を見ようとしたら。
「え……高畑さん…?」
リビングには、笑顔の優吾は居なくて、飲みかけの紅茶のカップだけが、寂しく湯気を立たせていただけだった。
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