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あれから何日経っただろうか。
坂城遼介から連絡が無い。
俺は相手の連絡先を知らない為、当たり前だがこちらからコンタクトが取れない。
「ま…番号悪用されてなきゃいいか…」
部屋に響く独り言に応えるかの様に、携帯のバイブが騒ぎ出した。
慌てて液晶を確認すると、非通知の文字。
「はい、高畑です」
『あ、高畑さん?すみ、すみません、ここあ、開けてくれませんか?』
「…は?」
窓の外を見ると確かに雪が降ってる。
しかも大雪だ、携帯のニュースで電車が止まっているって言っていたから、余程の雪だ。
しかし電話の向こうでは“ここを開けろ”と言っていた。ここを開けろ?
半信半疑で玄関の鍵を開け、戸を開けると、そこには雪塗れで鼻が真っ赤になった坂城遼介が笑顔で立っていた。
「はあぁあっ!?お前馬鹿か!?さっさと上がれ馬鹿!」
「す、すみません、お邪魔します」
寒さで震えている坂城遼介の隣に、ストーブを移動し、とりあえずホッカイロを渡す。これも本当はやっちゃいけないが、緊急時だから大丈夫だろう。
「て、店長が、よく店に来るから、近くに住んでるだろうって、教えてくれて」
「そんな適当なヒントでよく俺の家分かったな…」
「この前、新しい家のに、匂いがしたから、」
「確かにこのアパート新しく出来たばかりだけど…お前意外と凄いな」
「あ、ありがとう、ございます」
引っ越して来たばかりの新築のアパート。一人暮らしだから荷物は少ないが、まだ全て片付け終わった訳じゃない。
物が少ないと寒く感じるものだ。
「あれ…お前今日は休みなのか?」
「はい、モデルも店員もインフルエンザで休み貰って来ました」
「えっ、お前インフルなの?」
思わず汚い物を見る目で見てしまったが、坂城遼介は、はははと軽く笑った。
息真っ白にして何笑ってんだお前。
「インフルエンザだっていうのは勿論嘘ですよ、高畑さんに会う為に仮病を使ったんです」
「人気モデルがんな事していいのか」
「人望があるからやれる必殺技です」
「性格悪いな」
「バレなきゃいいんです」
そう、バレなきゃ。
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