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ドキドキと高鳴る心臓を抑えながら、リビングにあるソファに腰掛ける。朝から刺激が強いものを見すぎた。熱はないと思うけど、顔は絶対真っ赤だ。
とりあえず、毎日の日課である体温測定を始める。中学校まで滅多に学校に行けなかったから、高校では学校に行くと僕は意気込んでるけど、少しでも熱があるとみぃは許してくれない。1回微熱だし、大丈夫と学校に行ったら、どんどん熱が上がって、2週間も寝込むことになったことがあり、その日以降から微熱があったら学校には行かせないとみぃに言われてしまった。
担当医の先生からも、『休むのは良くないことだけど、凪ちゃんの体調が悪化する方が良くないことだから無理はしちゃダメだよ』と言われ、みぃの味方をしている。
体温図らなきゃ、バレないじゃんとか思うけど、計らないと計らないで、学校に行かせてくれないし、誤魔化したり嘘ついたら、もっと行かせてくれない。
しかも、みぃは僕みたいに学校に行きたい!と思ってるような人じゃなく、休めるなら休みたい派の人だから、僕が休むなら俺も休むと、一緒に休みにしてしまう。
1人で家にいるのは嫌だけど、元気なみぃを休ませてしまうのは嫌だ。だから、なるべく微熱もなく、元気でいたいけど……うーん。
ピピッと聞きなれた音がして、脇に挟んだ体温計を出す。この時が1番ドキドキする。今日の予定が決まっちゃうもん。
「……36.4………よかった、平熱だ!」
「顔色もいいし、今日は登校するか」
背後から声がして、振り返ってみたら、ジャージに着替えたみぃが立っていた。みぃの毎日の日課は朝から散歩兼ランニングすることだ。朝の7時には家を出ないと間に合わないため、6時くらいには帰ってくるけど、朝の5時からずっと走ってる。前までは1人で走ってたけど、今は
「りく、うみ。散歩に行くぞ」
『『わん!』』
僕の足元で寝そべっていた二匹のワンちゃんを連れて行ってる。数ヶ月前に捨て犬だったりくとうみを僕が拾った。拾った当初は本当に小さな子犬だったけど、今じゃ中型犬?くらいの大きさがある。真っ白な方がりくで、真っ黒なのがうみ、拾った時から2匹とも一緒にいたから双子なのかなーって思ってる。朝はみぃが散歩に行って、夕方に買い物がてら僕が散歩に行ってる。
「6時までには帰ってきてね?」
「おー。じゃないと、遅刻だもんな。……大人しくしてろよ」
「うん。お弁当作って待ってるね」
「ん。行ってきます」
「行ってらっしゃーい。りくとうみも気をつけてね」
2匹とも尻尾を千切れるくらい振りながら、みぃの後に続いて出ていった。僕はあんまり運動とか出来ないから、ただ歩いて散歩してるだけだけど、みぃとの散歩はずっと走って、途中の公園でボール投げやら縄跳びやら色々やってるらしい。朝から元気だなぁって本当に思う。
「よし、まずは洗濯!」
みぃたちが帰ってくるまで1時間もない。それまでにお弁当と洗濯、掃除を終わらせなきゃ。僕もみぃも健康には悪いけど朝ごはんを食べない。まぁ、みぃはコーヒーが朝ごはんらしいけど、僕は朝ごはん食べた方が体調が悪くなってしまう。朝ごはんの用意という家事が1個無いだけでも、とても楽になるからいいんだけどね。
とりあえず、学校に行ってもいいってお許しを得たから制服に着替えよーっと。
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