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あの後、学校に着いてからは色々と大変だった。
あの貴族様は誰だとか、あの美人な金持ちの女性は誰だとか、その二人といる眼鏡の地味な男は誰だとかで一時的に生徒昇降口は学校の生徒で埋め尽くされた。もちろん、その中心にいるのは相良と山下で俺は早々に中心から外され、久しぶりに学校の廊下を誰の目も気にすることなく楽に歩くことが出来たのは歩くのに苦労していたあの二人には秘密である。
しかし、普通の人はこんな感じなんだな。誰にも気にされることなく教室に入る。なんか癖になる快感だな。
そんなことを一人で思っていると勢いよく教室の扉が開いた。
「はぁ、はぁ、はぁ…いつもはあんな人いないのに!マジ、どうしてなのよ!?」
「はい…ビックリしました!歩くのも一苦労でしたし、やっと撒くことが出来ましたね」
いきなりの美女と美男の登場に教室内はシーンと静かに静まった。
「てか、三枝くん!なんで置いていったのよ!」
「そうですよ!」
二人が俺のことを見ながら聞いてきた。そうとう怒り心頭のようだ。そして他クラスからの外野もどんどんと教室内に増えていき、俺は仕方なく眼鏡を取った。
「あーぁ!今日1日はこれで過ごそうと思ってたのに……」
「でも置いていかないでくださいよ」
「そうよ!」
「え、三枝くん!?」
「あの地味男って三枝くんだったの!?嘘でしょ!」
「え、まさか、あの美人って美希じゃない?」
「じゃあ、あの貴族様は誰だよ…あと来てないのといえば、昨日の根暗転校生くらい……」
「「根暗転校生!!!?」」
その答えに辿り着くと何故か、ザワザワしていたクラス周辺がシーンと静まり返った。それを見計らってなのか、相良が口を開いた。
「あ、当たり。相良帝、山下と三枝くんに協力してもらってイメチェンしてみましたー!どうかな?」
「で、それに付き合わされたのが私、山下美希ですわ。今日一日はお嬢様風にいきますのでよろしく」
「俺は根暗やろうとしてこの二人に壊された!!」
そして、再びクラス内周辺が黄色い歓声などで湧き始めた。
「相良くんってカッコイイね!」
「うん、そっちの方が断然いいよ!」
「美希、ギャルメイクよりもナチュラルなそっちのメイクの方が似合ってるよwww」
「あぁ、ビビった。山下って案外清楚系なのな!」
「三枝くんの根暗もう一回見たいな!」
「三枝くんお願い!!!」
などと、お願いされてやってやるとやばい!とかマジか!とか言われまくった。そんなに変わるものなのだろうかと疑問に思うところもあるが、何よりも相良がみんなと仲良くできそうで良かった。はっきり言って最初は関わるつもりゼロだったがここまで関わってしまうと、なんとも嬉しいものだな。
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