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夢か
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『社員/バイト募集!住み込む可。詳しくは店員まで』
店のドアに張られている紙を山根琴音は食い入るようにただじっと見つめていた。
(これは何かの夢か…?)
琴音は何度も目を擦って見るがその張り紙は消えない。
今度は自分で頬を抓ってみても痛みを感じる。
(ってことは、これは夢じゃないってことだよな…?)
自分の中で何度も確認してしまう。
だってこんな偶然信じられない…。
琴音は再度確認のために張り紙を瞬きせずに、じーっと見つめた。
(…大丈夫だ!ちゃんと住み込み可、って書いてる…。…住み込みってことは温かい布団で寝られるってことじゃんっ!)
張り紙が貼っていることが現実だと認識できた途端に琴音の胸が躍り始める。
琴音の心を打ったのは何といっても、
住み込み可、の文字。
ここがどんな店で、何の仕事の募集なのかなんて二の次。
寝られる場所があるだけで今の琴音にとってどれだけ有り難いことか。
琴音は今年春に高校を卒業したての男の子だ。
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