アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
陽気
-
それは当初、孫の優典にも伝えてくれなかった事実。
急に店を閉めたので常連さん達は、急病で倒れたのか、とものすごく心配してくれた。
優典も急いで、電話してみると受話器の向こうから聞こえてくるのは、いつもの陽気な声だった。
その声に安堵したものの、そこで聞いた事実は衝撃が強すぎて、さすがの優典も開いた口が塞がらなかった。
きっと優典が継いでくれると信じていたけど、どこかで継がない可能性も考えていたのだろう。
だから店を閉じるということだけを選択して、それからのことは優典の意思にまかせたのだろう。
この店を継いでほしいなんて一言も言われたことがない。
優典の負担にならないように。
それが祖父の優しさ。
優典は目尻を下げて、クスっと笑ってしまう。
(‥おじぃちゃん、僕、お客様の笑顔を守るからね!)
「‥宇榮原さん。こんな店に勤めたいとおしゃってくれるならいつでもどうぞ!って言いたいんですけど、ここのお店はバイトしか雇えないので、自分でお店を出したらいいと思います」
「「はぁ?」」
宇榮原と明日真が揃って素っ頓狂な声を出す。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
87 / 100