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The wing which died surely turns into love
足りないから妥協する < Side X
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はぁ…背が疼く。
ばさりと広げた右の翼。
左は封印されており、広げることは出来ない。
体に貯まった翼の呪力。
背は疼き、身体が熱かった。
しまい込んでいた翼に、髪が黒く変色していた。
広げた翼に、俺の髪が銀色へと戻ろうと灰色へと変化する。
片翼を封印されている俺は、翼から溢れる毒素が完全に身体の外へと出ていくことは、無い。
勃ち上がる肉棒を、掴み扱く。
吐き出す液体と共に、身体を内から蝕む毒素も多少は、排出される。
それでも、独りでするには、限界がある。
思い描き、予期できる刺激は、興奮感を半減させる。
こんなんじゃ…、足りない。
でも俺は、女とは出来ない。
女とのセックスは、吐き気がする。
そう、呪縛をかけられた。
隣の個室の音が、響いてくる。
俺が入っていることを知らないのだろう。
声の感じから受けるのは、どちらも男だと言うことだ。
男同士……。
パンパンと乾いた肌がぶつかる音の合間に、ぐぼっぐぷっと粘着質な水の音が、響いてきた。
声が聞こえなければ、嫌な気もしない。
それは、紛れもないセックスの音だから。
少しだけ興奮が高まった瞬間、男の低い声が響く。
責めるような男の声に、興醒める。
だけど………。
喉に詰まるような、苦しさから吐かれる、低めの上擦った吐息は、妙に俺の性欲を擽る。
「ぁー、くっそ……」
隣から響く声に、やり捨てられた感が、拭えない。
翼を身体の中へと納め、隣の個室を、覗き見る。
身体の中へと押し込められた翼に、右の背中から、肩、指先まで、翼の羽模様が刺青となり浮き上がる。
異端と思われるこの姿に、俺は、呪力で刺青を見えないように消し、声を掛けた。
目の前には、白い粘液を溢れさせる孔。
女のそれとは違う。
どちらにしても、俺は、女を抱けない。
女が抱けないなら、男で妥協するのも策かも知れない…。
目の前にあるのは、同じ肉の孔。
垂れ落ちる白い粘液は、ぞくぞくとするイヤらしさを、俺に伝えた。
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