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The wing which died surely turns into love
やたらと働く心臓
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殴ってやろうと伸ばした俺の手は、空を切る。
「あはははっ、冗談、冗談」
楽しそうに笑う佳梛を追いかけ、ベッドから降りようとした瞬間。
どろっとした感覚が、アナルから流れ出た。
「ぅ、あ……」
思わず、下着の上から尻を押さえた。
公衆便所で、やられたコトを思い出す。
ぐっと顰めた顔で、佳梛を睨みつけながら、荒く言葉を放った。
「襲われる前に助けろよっ、アホッ。……その上、お前まで…」
むすっと顔を歪ませる俺に、佳梛は、全く反省の色の見えない姿で、言葉を放つ。
「ははっ、ごめんね」
飲みかけのペットボトルをテーブルの上へと置いた佳梛。
ベッドから降りようとしている俺の身体を、再び、そこへと押し倒した。
訝しげに見上げる俺に、佳梛は、淫靡な空気を醸し出す。
「もう一回。する?」
半分開かれ唇が、甘い吐息を纏い、近づく。
じぃーっと、穴が開きそうなほど、俺を見詰める佳梛…。
俺に瞳を据える佳梛に、心臓が、ドクドクとあり得ないほどの血液を送り出す。
「な……、何だよっ」
なんだか照れ臭くなり、視線を背けた俺に、佳梛の手が頬に触れる。
「結芽……?」
呼ばれる名前に、ちらりと瞳を向けた。
じりっと音が出そうなほど、熱い視線が交差する。
「教えて。……どうすれば、いいか」
ふふっと小さく笑った佳梛に、頬が熱くなるのを感じる。
じりじりとした熱が、顔中に広がり、耳も首までもを赤く染め上げていった。
「照れた?」
くっそ……。
弄ばれている気しか、しない。
俺は、佳梛の顎と肩を、渾身の力で押し返した。
「照れてねぇしっ……、っざけんなっ!」
佳梛の手が俺の両手首を掴み、シーツへと縫いつけられ、ぽすっと間の抜けた音を立てた。
「俺のコト、見てよ……」
切なげな音で放たれた言葉に、胸の奥が、きゅんと鳴った。
その自分の反応に、寒気がした。
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