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The wing which died surely turns into love
学習しない自分
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月香の左手に右手を重ね、恋人のように繋ぐ。
焦点の合わない月香の瞳が、懸命にオレを見ようとする。
左腕で月香の頭を抱き、顔の横のシーツに額をつけ、言葉を紡ぐ。
「ごめん、ごめんね……息、して…?」
オレの左腕に触れる月香の指先。
掴むわけでも、縋るわけでも、ない。
ただ彷徨うように、オレに触れる。
顔を上げ、焦点を失った月香の瞳を覗き込む。
″怖い…、苦しい…、辛い……、こわかった……″
そんな苦痛と恐怖の想いしか伝わってこなかった。
この先の言葉など、わかっている。
″もう嫌だ。…居なくなりたい″
そんな否定的な言葉が並ぶんだ。
……幸せな感情など、ありはしない。
黙っていても流れ込んでくる月香の感情に、胸の奥が、ズキズキとした痛みに呻く。
呼吸に集中するように閉じられる月香の瞳。
微かにオレに触れていた月香の手が離れて、顔の横に投げ出される。
繋がっていた手も、するりと外され逃げられる。
重なっていた上体を起し、月香の片足を持ち上げる。
「くぅ…………ん…」
ゆっくりと引き抜く刺激に、月香の喉の奥が鳴った。
オレのペニスは、質量は保ったままだ。
いつも最後までイケない。
月香の身体は、小刻みに震え続ける。
その震えは、絶頂の余韻からなのか、恐怖からなのかは、わからない。
でも、たぶん……怖かったから。
いつも、いつも、こうなってしまう。
月香に気持ちよくなって欲しくて、攻め立て、苦しさだけを残してしまう……。
ドクドクと血流を意識させられる部分に、瞳を伏せる。
自分の銀色の髪に指を入れ、荒く掻き混ぜた。
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