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蓋をしなければならなかったはずの想い。
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最悪。今まで全然気づかなかったのか、
自己嫌悪に陥っている。
「あー!靴下穴空いてる!」
事の発端は洗濯後。
買いに行くの面倒くさいし、最悪だぁ、
と思いながら着替えをして家を出た。
これからBL読もうと思ったのに、とか
その時は呑気に思っていた。
デパートに着いて、そして
目当てのものを買った後、
アクセサリーのお店の前を通った時、
何であそこで足を止めてしまったのか、
今となっては後悔しかしていない。
────────────指環。
ぼんやりと今付き合ってる彼の顔を
思い浮かべる。あっても良くないかな?
僕と、フジでつける指環。
出来ればペアリングがいいなぁ。
男同志なんて、到底認められないから。
だからこっそりペアリング、とか。
それ位はしたいなぁ、なぁんて。
そう考えて、少し見ていこうか、
店の奥を振り向いて───凍り付いた。
そこには仲の良さそうな男女が。
黒い長い髪が特徴の、背の低い女性と、
長めの黒髪に、平均的な体型の男性。
間違い、なかった。
男性の方は明らかにフジだ。
ふたりは同じ指環を付け外しして、
時々笑いあったりしていた。
ふたりがつけている指は左手の薬指。
どうやって家に帰ったのか分からない。
気づいたら家にいて、思わず笑った。
自分の帰宅本能に笑ったつもりだった。
乾いた笑いはそのまま泣きに変わり、
枕に顔を埋めて泣いた。
泣いて、泣いて、そのうち寝てしまい、
そして、今に至る。
そーだよね、と思う。フジは男で、僕も男。
なら恋なんてするはず無かった。
しては、ならなかった。
「・・・・・・お似合い・・・・・・・・・・・・」
だった、なぁ。
フジは、やっぱり女の人が好きだよね。
────────────────────────────
ラストに近づいてます。
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