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寝たふり
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(寝たふり ナビ△微回想1日目)(語り手は、ナビゲーター)
(場所は、柳瀬が、少年狩りしていた、サファリパークの中)
少年は、魚の網籠を、作るのに、必死で、雌虎が、後、一跳躍
で、少年に、とどめを刺そうとしているのに、気が、つかなか
った。
雌虎は、3匹の可愛い子虎が、いるのに、食べ物がなく、1週
間、何も、食べていなくて、子虎にやるための、母乳が、昨日
から、出が、悪くなっていて、必死だった。
「危ない、坊や、逃げろ!!」
赤目虎の、叫び声が、少年の、頭の中に、響いたと同時に、目
の前で、赤目虎が、少年に、とどめを、刺そうとして、跳躍し
た雌虎の、横から、跳躍して、雌虎の側面に、体当たりしたの
で、雌虎は、少年の真横に、下落して、横倒しになったのを見
た、少年は、悲鳴を上げて、赤目虎の、後ろに、逃げるように、
走り出した。
「坊や、赤目象を、呼べ!」
言われる迄もなく、少年は、助けを、象達に、求め続けた。
「リリーさん、助けて」
横倒しになった、雌虎が、体制を立てなおして、怒り心頭に、視
線を、少年から、赤目虎に移して、今にも、赤目虎に、飛びかか
ろうと、跳躍体制に入り、赤目虎も、同じ体制で、睨みあいにな
った。
「おい、レッド、お前、気は、確かか? なぜ、私の、狩りの、
邪魔をした、そもそも、御馳走の、横で、お前が、それを、食わ
ずに、なぜ、寝ていた!」
雌虎に、赤目虎が、そう、言われて、赤目虎が、話しだした。
「お前にも、俺が、赤目象を、脅して、約束させた、象の、長老
の肉を、死んだら、分けてやるから、落ちつけ」
「その、坊やは、俺の、奴隷みたいなもので、これから、毎日、魚
を、取らせて、食わせてもらう、代わりに、生かしておくと、約束
したから、お前に、殺されると、俺は、2度と、生まれ変われなく
なるから、どうしても、食うと、言うなら、お前と、戦う事になる」
「大体、ここは、俺の、テリトリだぞ!!」
少年は、赤目虎の、話しは、赤目象のお陰で、すべて、頭の中で、
理解出来るように、なっていたので、赤目虎が、雌虎の前では、格
好を、つけて、嘘を、言っていると、思った。
その時、赤目象を、先頭に、象達が、走りながら、近づく、小さな
地震のような、振動と、共に、足音が、少年にも、聞こえて来た。
雌虎が、赤目虎に、叫んだ。
「なんで、象達が、此処を、目指して、来るのだ!」
「その坊やは、象達に、守られているからだ」
「どうだ、その、坊やを、傷つけないと、約束してくれるなら、俺
の、テリトリの、此処を、お前にも、分けてやるから、川で、魚
でも、取って、食べてから、帰れ、川で、泳いだ事は、あるのか?」
赤目虎に、そう言われた、雌虎が、攻撃態勢の、跳躍寸前の、体制
を、やめて、四足で、普通に、立ったまま、話しだした。
「泳いだ事も、魚を、取って、食べた事も、ないけれど、祖先の、
魂に、教えて貰うから、多分、大丈夫だ、どうして、そこの、坊や
の、ために、お前や、象達が、そこまで、するのだ?」
「どうせ、少年狩りの、兵士に、惨い殺され方を、されるのだから、
ひと思いに、殺して、白い、光の、束に、送って、やった方が、坊
やも、幸せだろうが?」
しばらく、沈黙の、時間が、流れたが、少年には、雌虎の、言葉は、
判らなかったが、殺気が、消えたのは、判った。
「それまでの、間だけでも、生きて、みたいと、坊やが、望んだ」
「その、坊やは、赤目象や、俺とは、会話ができる、特別な存在だ」
赤目虎が、雌虎に、そう、言い返した、時には、すでに、少年は、
象達に、囲まれて、守られていた。
雌虎は、象達を見て、再度、象達に、向かって、攻撃態勢の、跳躍
姿勢に、なったが、赤目象が、雌虎に言った。
「やめておけ、子虎が、巣で、お腹を空かして、待っているだろう」
「赤目虎の、言う通り、川で、魚でも、取って、大人しく帰れ」
「もし、この先、この、坊やを、傷つけたり、食ったら、おれの、
家族を、襲ったものと、見なすから、その時は、お前の、家族も、
消える事になると、肝に、銘じておけ」
雌虎は、それを、聞いて、何度が、未練がましく、御馳走に、なる
はずだった、少年を、振りかえりながら、川に、向かって、去って
いった。
リンゴを、くれた、小象が、今度は、鼻に、草を咥えて、少年の、
目の前に、差し出していた。
「坊や、それは、薬草だから、石ででも、叩いて、潰して、それを、
傷ついた、素足の裏に、塗れ、破傷風の、予防のためだ」
少年は、頭の中で、赤目象に、そう、言われて、小象から、薬草を、
受取り、子象に、何回か、ハグしながら、
「ありがとう」
と、呟いた。
もう、長老の象の、姿が見なかったので、少年が、赤目象に、聞い
たら、
「もう、象達の、墓場に、独りで、向かった」
少年に、そう言った後、赤目虎を、見ながら、赤目象が、話した。
「おい、レッド、お前が、雌虎に、話していたのは、全部聞いたぞ」
「坊やを、奴隷にするなら、お前を、俺の、奴隷にしてやろうか?」
赤目虎は、いつの間にか、鼾をかいて、寝た振りをしていた。
象達は、食事のために、その、場を、去って行くのを、少年は、右
手を、高く上げて、振りながら、見送っていた。
象の、姿が、小さくなったので、少年が、赤目虎を見たら、後ろ脚
を、両方揃えて、それを、前足で、抱えて、尻尾も、怒られた犬の
ように、小さく丸めて、揃えた、両脚の中に入れて、小さく丸くな
り、寝た振りを、しているようだった。
その、姿が、少年には、人食い虎とは、とても、思えず、子猫のよ
うに、思えたので、恐る恐る、赤目虎に近づき、空腹で、へこんだ
腹を、見ながら、背中を、小さな手で、撫でて
「赤目虎さん、ありがとう」
と、頭の中で、呟いた。
明日は、なんとしても、魚を取って、赤目虎に、食べさせてやりた
いと、思って、魚を取るための、網籠を、あみ続けた。
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