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「着いたよ」
そう言って、俺に手を差し伸べるイケメン。
俺は未だ状況が飲み込めなかった。
ていうかまず‥‥この人の名前、知らんがな。
俺はぼーっとしたまま手を引かれ、外へ出ると目の前にでっかい建物が建っていた。
「ほ、えー‥‥‥‥‥」
「ふふ。行こうか」
そう言って再び俺の手を取り、中へと歩き出した。
そのビルのような建物の最上階へ、エレベーターで昇る。
‥‥いや、淡々と言ってるけど実際そんなもんじゃないからな?絶対高いってココ‥‥!
俺のそんな動揺が伝わったのか、その人は俺の頭を撫で、サラリと言った。
「ああ、ココ、俺のオフィスビル。今最上階に住んでるんだよ」
「そ、うなんですか‥‥ってえ、俺のって‥‥」
「まぁまぁ。質問は後、ね?」
そう言って俺に優しく目を向けた。
俺は向けられた色素の薄いグレーの瞳に、吸い込まれるように目が離せなかった。
エレベーターが止まると、そのまま俺の手を引いて10mくらい先にあるただ一つのドアへ近づき、取っ手の横にあるモニターに指を触れた。
ーがチャリ、と音がしてドアが開くと、その人は俺を中へ勧めた。中に恐る恐る入ると自動的に電気がついて、明るく照らした。
‥‥いや、どんな次元だよココ。
「‥‥ひっろ‥‥」
「ふふ。ありがとう。さぁ、適当に座っててね」
そう言ってキッチンらしき所へ入っていった。
ソファー‥‥って、でっかいねん!
俺は改めてぐるりと部屋を見渡した。
まるで高級マンションのモデルルームだ。
黒を基調とした家具に、白のカーテン、黒のふかふかそうなソファー。テーブルはガラス張りで、テレビは‥‥これ何インチだよ。
‥‥テレビの中の芸能人の家では見た事あるわ。
「はい、どうぞ」
「あ‥‥わざわざありがとうございます」
いつの間にかホットミルクとコーヒーを持ち、テーブルにそっと置いたその人は、改めて俺をソファーに座るよう勧めた。
そしてテーブルを挟んで向かい合う。
俺が座ると、その人はにこりと微笑んで口を開く。
「んーと、まず改めて自己紹介。
俺は、長井遼。はるかは遼、って書く方のはるか。今25です。ちなみにちょっとした会社の社長をしてます」
「えと、改めて葛城要です。今18です。
お願いします‥‥?
あと、助けていただきありがとうございました」
「いえいえ、当たり前だよ。
‥‥ところで、要くんのことについて少し教えてもらえるかな?」
「っ‥‥はい。その前に‥‥」
「ん?」
「なぜ、俺を助けてくれたんですか?」
思い切って、俺はさっきから疑問に思っていたことを尋ねた。
すると、遼さんは困ったように眉を下げた。
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