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吾輩は二宮である(R’s、番外) 3
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吾輩は二宮啓(にのみやけい)、のちのR'sドラムであるー
今は幼馴染の龍ちゃんこと鈴木龍之介と一緒にバンドの新メンバー発掘にいそしんでいた
「え?楽器を弾ける人?うーん…あっ、ほら吹奏楽部のひととか………えっ?部活に入ってない人?……うーん、わかんないなぁ…」
「楽器に興味?えーっと…そんなにはない、かな…?」
「バンドぉ!?あー…高校入っていろいろ忙しいからなー…」
龍ちゃんが校内で見かけた人に手当たり次第声を掛けて行く
でも結果は芳しくなく見事撃沈だった
そもそも楽器を弾ける子は吹奏楽部に入るしたまーに楽器をしてて部活にも入ってない子がいてももうすでに他の子とバンドを組んでたりと思うように新メンバーは見つからなかった
バンド結構楽しいと思うんだけどなぁ~…
んーっとそんな事を考えながらがっかりして俺の前を歩く幼馴染を追いかけた
龍ちゃんもっとばりばりバンド活動するの楽しみにしてたもんね
でも今日はがっかりな事ばかりじゃなかった
同じ学年の別のクラスの子に声を掛けた時の事だった
「部活も入ってなくてバンドもしてなくて楽器弾ける人?あ、じゃあ……あ…うーん…でもなぁ…」
「なに!?誰かいるの!?」
声を掛けた女の子は途中まで言いかけて悩んでしまった
前のめり気味の龍ちゃんにたじたじしている
「うん…まぁ、一応…でもなぁ……」
「誰!?教えて!!」
「え…えっと3組の篠田…」
「わかった!!ありがとう!!」
「えっ、でも彼…」
女の子はまだ何か言いたげだったけどその女の子がその先を言う前に龍ちゃんはもう走り出していた
俺もその後を追ったから最後まで聞きとることはできなかった
龍ちゃんは嬉しそうな顔で3組まで走って行く
「すみません!!篠田って奴いませんか!!」
「!!」
まだ放課後とはいえ早い時間だったから教室には何人も生徒が残っていて一斉にクルッとこっちを向いた
その中の一人、女の子額を寄せ合って話していた男が顔を上げて立ち上がった
ワックスでつんつんと立たせた金髪にピアスやブレスレッドなんかの派手な服装でチャラそうとか怖そうって印象の男の子だった
まぁ、龍ちゃんも俺もそう言うの気にしないけどね…
「オレだけど…なに?」
「おぉ!!お前が篠田か!!」
龍ちゃんがぴょんぴょん跳ねながらそいつに近づいて行く
周りの人に変な目で見られてるけどお構いなしだ
そうしてぴょんぴょんしながら篠田君?の両手を握ってぶんぶんと無理やり握手する
篠田君と篠田君と話してた女の子はちょっと引き気味だった
ちなみに篠田君と一緒にいた女の子もくるくるに茶髪を巻いてネックレスをして濃い化粧の女の子だった
「なぁ篠田!!お前楽器弾けるんだろ!!」
「え、あぁ、まぁ…」
「何弾けんの?」
「ベースと…あとギター…?」
「ベース!!」
篠田君は大声を出す龍ちゃんを胡散臭そうな顔で見てる
龍ちゃんベース弾ける人欲しがってたもんね
「じゃあさじゃあさ!!篠田バンドとかって……」
「あー…もしかしてバンドに入らないかって話?」
「おぉ!!もしかして入ってくれる感じ!?」
龍ちゃんが喜びの声をあげると篠田君はニコッと笑った
龍ちゃんは目をキラキラさせてもう新メンバーをゲットしたと言わんばかりの顔だった
でも篠田君の答えはそんな龍ちゃんの期待とは全く別の物だった
「悪いけど別当たってくれる?」
「……へ…?」
龍ちゃんの口から間抜けな声が出た
篠田君はさっさと荷物をまとめて鞄を肩に背負い上げた
「え、えぇ…でもお前さっきベースとギターしてるって…」
「昔ね、この年にもなって楽器とかバンドとかダサいじゃん?オレ興味ないから」
「ダサッ…!!」
「行こ、茜…あと敬語使えよ、オレ先輩」
「…へ……」
「じゃね」
ひらっと手を振ってそう言うと篠田君は茜って呼ばれたさっきの女の子を連れて間抜けな顔の龍ちゃんと俺を置いて行ってしまった
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