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さかうら3 ※死ネタ注意
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坂「うらさん。
僕はあと少ししか時間がないのは、どうしても変わらない。
僕だって皆ともっと歌ったり遊んだり喋ったりしたかったよ。
でも、運命なんだと思う。
それに、僕が病気じゃなかったらまーしぃやセンラ、そしてうらさんがなってたかもしれない。
ただ僕だっただけなんだよ。
皆が病気を持って産まれてこなくて……
よかった!」
そういって坂田は今までで最高であって儚くもある笑顔を見せた。
それから2ヶ月がたった頃には坂田は寝たきりになり、さらに1ヶ月がたった頃に
坂田がこの世を去った。
俺は、坂田から僕が居なくなっても泣かないでね。
と言われていたから我慢していたけど、葬式が終わってから家のベッドでたくさん泣いてしまった。
もっと早くに坂田に気持ちを伝えていれば…
もっとたくさん坂田と話したかった…
もっと坂田に甘えたかった…
もっと多くの 好き を言いたかった。
などと、後悔が押し寄せてくる。
今さら後悔したってもう遅いのに…。
と思っていると、
チリン
鈴の音がきこえた。
そして、
『泣かないでって言ったのに…。僕はずっとうらさんの事を見守るって約束するから。もう泣かないで。
大好きなうらさん。』
ハッと我に返り周りをみるが、もちろん坂田はいない。
気のせいかと思ったがコトンッという音が部屋に響き、部屋の隅に何か光るものが見えた。
手に取ってみるとそれは、坂田が大事にしていた俺とお揃いのストラップだった。
坂田が家に来たことは入院してからは一度もない。
もちろん部屋の掃除もこまめにしているため、見落とすことはないはずだ。
坂田だ。
今、本当に坂田がきたのだ。
いつもならば、こういうことが怖かったりするのだけど、怖い幽霊やおばけじゃなく坂田がきたのだと思うと、とても嬉しかった。
『うらさん!いつまでも待ってるから早く来たら怒るからね!絶対だよ!?』
と言われた気がした。
う「ありがとう、坂田。坂田の分まで、生きてやる。100歳越えても死なねぇから文句言うなよ?」
窓から外をみると、綺麗な虹がかかっていた。
坂田にもこの虹が見えているといいな、と思いながら仏壇に線香を1本たてるのであった。
End
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