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呼吸が浅くなっていくのが分かる。
やだ。こわい。
「蒼衣!」
大きな声にビクッとして、現実に引き戻された。
目の前には柊。
「あ、れ?柊…?」
何で?
「大丈夫?」
「あ、…うん、、柊のおかげ。あの、」
「ん?」
「俺、思い出した」
「うん」
「先輩のネクタイの色、赤だった」
「赤…」
確認するように呟いた柊に俺は頷いた。
「じゃあ3年生だね」
「うん」
「ほら、立てる?」
いつのまにか床に座り込んでいて、柊が手を差し出してきた。
その手を支えに俺は立ち上がった。
「…手は触れるんだね」
「え?あ、ほんとだ。平気みたい」
「他にも試してみてもいい?」
「なに、っ!!」
俺が返事をする前に柊の手が頭に伸びてきて、俺は思わず後ずさった。
「ここはだめか」
「ごめん」
「蒼衣が謝ることじゃないよ。まぁ学校でも頭を撫でられるとか、髪を触られるなんてことはないと思うし、俺が側にいるから大丈夫だとは思うけど、学校行ける?」
「うん」
「無理だと思ったらすぐに言って。苦しくなったり、何かあったりしたら呼んで。俺が助けるから」
柊は何でこんなに優しくて、かっこいいんだろう。
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