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「どうしたの、凄い端によっちゃって。」
クスクスと笑いながら聖さんがマグカップを二つ持ってきて、俺の隣に座った。
渡されたカップの中身はあったかくてミルクがたっぷり入った珈琲だ。
「お茶じゃない、ですね。」
「珈琲しかなくてさぁ、あ、嫌いだった?」
「いや、よく飲みます。」
独断と偏見でハルくんは甘甘のがイイと思ってたっぷりミルクも砂糖もいれたから、と聖さんがわらう。
茶目っ気があって、どちらかと言うと笑顔は可愛い系…。って何を思ってるんだ俺は。
「いただきます。……あ''っっま!」
想像以上にゴテゴテの甘さに思わず声を出せば、笑い出す金髪。
もう金髪でいいよ、笑いやがって。
「ごめんごめん、ふふっ、俺のブラックだから…っ、ん''っんん。大丈夫。」
止まらない笑いを咳払いで落ち着かせてもう一度口を開く。
「俺のブラックだから、ちょっと上げるよ。」
態度に文句を言いたい。けど、いれてもらったものだし、何も言えない。
「ありがとうございます。」
素直にカップを差し出そうとするが、あまりにもなみなみで入りそうにない。
ゲロ甘だけど取り敢えず半分まで一気に飲みこむ。
ヘルプ!と言うようにカップを突き出せば、手首を捕まれてゆっくりとテーブルに
カップが移動する。
視界に映るのは聖さんの綺麗な顔で、唇に感じる生暖かさに もしかしてキスされている。と気づくのに数秒かかった。
驚いたままの口は緩く、苦い液体の混入を簡単に許す。
ゴポッ。と音を立てて流れ込んだものを一気に飲み干せば 苦味がじんわりと広がる。
精一杯の力で聖さんを強く押し返して、立ち上がる。
「ちょ、な、何するんで、す、か!!」
焦った時にも敬語を忘れない精神を褒めて欲しい。
「ちゃんと上げたでしょ?俺のコーヒー。それに、これくらいのスキンシップ慣れてもらわないと困るから。」
悪びれも無く輝く笑顔での返答。
まぁ、舌入れる時間なかったけど。なんて付け足したのは空耳であってほしい。
「いきなり、めちゃくちゃ、ビックリしたんですから、ね。」
落ち着いた事により顔はドンドン赤くなっていく。
「顔真っ赤だよ、可愛い。それにいきなりじゃなきゃイイの?」
焦りなんて1mmも伝わってないであろうドSがニコニコと立ち上がり、ガシッと俺の肩をつかむ。
「小動物みたい。今日は何もしないでただ仲良くなろうと思ってたんだけど。無理。」
縛らせて。
低く掠れて興奮の隠せない声で囁かれれば
身動きが取れなくなる。
その声に滅法弱い俺は知らぬうちにうなづいていた。
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