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夕飯も食べる気がしなくて、適当に母さんにメールをしておいた。
布団に被って、目を閉じる。
頭に浮かぶのはやっぱりひろのことで。
ほんとはそろそろ認めるべきだって、分かってる。
胸を刺すようなこの痛みの正体を。
なんでだろう。
という言葉が頭を占める。
俺だって、この前まで女の子と付き合ってた。
いつから、変わってしまったんだろう。
でも、そんなもんなのかもしれない。
…まぁ、異性だったら、それで納得出来るんだけどなぁ…。
「あー…もう」
口を出るのは、愚痴。
好きになった途端、失恋とかない。
というか、失恋で気付く恋。そんなの初めてだ。
ましてや、それがひろ、だなんて。
「…俺って、ホモだったのかな」
思わずそんな言葉が出てしまう。
けど、そんなことはない、と思う。多分。
裕太や、他の友達を好きになるという可能性を考えてみる。
…いや、絶対ないわ。
とりあえず、ホモではない。
「た、たまたま好きになった相手が男だったんだ、うん」
自分に言い聞かせる。
というかこの認め方でいいんだろうか。
俺、いいの?
ひろの隣にいられなく、ても。
あー俺、女々しい。すげぇ女々しい。
しょうがないよな、もう。
好きになったもんはしょうがない。
この思いが風化するまで、隠すしかない。
俺が頑張ればいいことだ。
そしたら、いつか俺は可愛い女の子を好きになる。
…それまでの我慢だ。
今はまだ、ひろを好きなままでいさせてもらおう。
ごめんな、ひろ。
親友としても、頑張るから。ちょっとだけ、違う気持ちを抱くことを許してくれ。
そんなことを考えながら、眠りに落ちた。
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