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ホラー映画と下心【osht】
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※ひとらん視点
今日の昼。コネシマがこんな提案をした。
「せっかく夏やし、ホラー映画でも見ようや!!夏やし!」
無論、殺意は覚えた(ついでにコネシマを半殺しにしてきたよ)。俺はホラーが無理なんだ。絶対に見たくないし、断ろうともした。
でも。
「ええな!どこで見る!?」
「やっぱホラーといえば、貞子か?」
「外国ものの方が絶対に怖いって!」
他の連中が乗り気になっちゃって。嫌だという話を全く聞いてくれない。最後の手綱だったオスマンも。
「俺んとこでええんちゃう?程良く広いしな。」
見ての通り賛同しやがって…。もう、絶望しかない。あとでもう一発コネシマに蹴りを入れておこう。にしても…。
「最悪だ…。」
PM8:39。
オスマンの部屋につくと出迎えてくれた。
「早かったなぁ、ひとらん。」
「他は?」
「グルさんとトントンは、書類を汚したせいでエーミールからお説教。
大先生は女の子とのデートが入ったって。シャオロンとコネシマは寝落ち。」
「え、俺達だけ…?」
「せやな。ゾムもロボロも仕事やから。」
果たして来た意味があったのだろうか。でも、不幸中の幸いとはこういうことだろう。俺ははぁ、と安堵の息を洩らした。
「どうする?こんままなかった事にする?」
「一応、ビールとつまみを持ってきたから正直もったいない…。」
「マメやなぁ。じゃ、飲むか。」
「おう。」
部屋に上がらさせてもらう。綺麗に片付かれた部屋。適当に座って、ビールとつまみを取り出す。オスマンも向かいに座った。
「それじゃ。」
「乾杯。」
缶同士をぶつける。
最初はチビチビと飲みながら、つまみをつまんだり話したり。やがて、ビールの空き缶が五つ程になった時。オスマンが残念そうにため息をついた。
「あ〜あ〜、ホラー映画見たかったなぁ…。」
「はあ?俺が怖いの知ってて言ってる?イジメ?」
「別にそういうつもりはない。でもさぁ…。
ビビってるひとらんめっちゃ見たかったなぁ…。」
「ん?」
今、凄いことが聞こえた気がする。空耳か。まあ、気のせいだろう。タコキュウをつまみ、ビールを飲み干す。
「ひとらんのビビってるとこ、絶対にかわええと思って賛同したのに。中止になるとかないわぁ…。」
「ブゥッ!ゲッホゴッホ……はあっ!?」
今のはしっかり聞こえた。
かわええ!?誰が!?俺が!?コイツ大丈夫か!?
「おい、オスマン。酔ってんのか?もう、寝ようぜ。」
「酔ってない!正真正銘、ひとらんのことかわええと思ってるし、大好きですぅ。」
「……。」
ダメだ、コイツ酔ってる。よいしょと立ち上がり、つまみや空き缶の方付をする。
「えっとなー、まず男前やのに怖いの苦手なとこやろ?あと、ひっくい声と…。なんか嬉しいことがあったときに報告してくるとことかぁ。あとぉ…。」
「あああ!黙って片付け手伝え酔っ払い!」
「酔っ払いちゃうし!本当やって!だから…。」
すくっと立ち上がるオスマン。近づいて来て、後頭部に腕をまわされる。
「え?」
気付いたときには唇に柔らかい感触。二、三回ほど下唇を食まれる。
顔が離れると、オスマンはニコッと満面の笑みでいた。
「キスできためう〜!ってな。」
そのまま前に倒れ、俺に体重がかかる。俺は反射的に受け止めた。スヤスヤと気持ち良さそうに眠るオスマン。
「はぁぁああ!!?」
それとは裏腹に俺は混乱しきっていた。
ーーーー
なお、次の日オスマンは記憶がとんでいた。
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