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【番外編】金と黒 4
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──おっさんが明を見てシコってる。
明がソファーへ両手をついて気だるげに上体を起こすと、健人の言う“おっさん”というのはすぐにわかった。会社帰りだろうか。汚れるのにスーツを着ていて、見た目は悪くはないが特別良いわけでもない。
その男とふと視線が合い、明は微笑む。明の妖艶さに男が息を呑むのが伝わってきそうだ。
ここのハプニングバーは健人の伝手で仲間たちと団体で訪れているが、貸し切ることはなく、明たち以外にも客がいる。仕切りはないものの個室の入口に薄いカーテンはついていて、カップルで来店も珍しくない。そんな中で、明たちは基本仲間同士でしか性行為をしないが、カーテンを開けてオープンスタイルだ。だから、こうやってセックスをせずに行為を見る見物客もいて。
「一人で寂しそうだし、おかずになってやろうか」
「あん、あん……って鳴けばいい?」
明は後ろから回ってくる健人の腕に支えられながら、するすると抵抗なく脚を大きく開く。これで男から結合部は丸見えとなった。
「上出来」
そして、どちらからともなく口づけをして、ショータイムは始まった。
ねっとりと見せつけるように舌を絡めて、深く口づける。この口づけが先程の余韻に響いて、明の下腹部が重くなった。恋人ではないし、普段、甘ったるいことをしないからこそ疼く感覚。今は見せものだから許せるが、抱き締めるのと同じであまり好きではない。
やっぱり長くは続けたくなくて明が腰を浮かせると、健人が追いかけるように突き上げた。
「あ……っ!」
目の前に閃光が散る。しかし、腰は止まらなかった。
射精なしに何度もオーガズムに達するのは苦しいが、また違う快楽が隠れている。それが甘美で明は興奮するのだ。もっと、もっと……と止めどない絶頂を求めてしまうのは、きっとマゾヒストだからなのだと思う。
明は動物の交尾のように乱暴に腰を動かして、指示の通りに「あん、あんっ」と喘いだ。
「っ、おい、一人で勝手に楽しむな……俺もイかせろ」
すると、健人が動きを合わせてきて。明のペニスにも手がかかる。
「ぁっ……今、そこはだめ……ってば」
「先走りでどろどろ……どんだけ濡らしてんだよ」
透明な蜜がとろとろと流れているペニスを扱かれ、店内のBGMがなければ、ぬちゅぬちゅと酷い音を立てていたことだろう。
それより、射精とはまた違ったものが込み上げてきて、止めようと明は健人の手首を掴んだ。
「ばか……違うのが出……、んっ、ほんと、待って」
だが、止めようと思うだけだし、言うだけだった。本当は心の奥で凄く興奮している。抵抗する雰囲気を楽しんで、手首を掴んだものの、まったく機能していない。
今、健人に酷く抱かれてるんだよ? いいでしょ、もっと見て?
激しく絡み合った先に、明の表情は恍惚として男を見つめた。
「……、イく」
背後で唸る声。明も色々と限界が訪れて。
腹の中に熱い欲望を感じながら、明は声にならない声を上げ、幾度目かの頂点を迎える。そして、イく間も扱かれ続けたペニスからは、ぷしゅっと透明な飛沫が数回に渡って飛び散って、廊下までも濡らしていた。
達成感に満たされ、一気に脱力した明は身体をかたかたと震わせながら健人へと体重を預ける。
「お漏らししろとまで言ってないけど?」
「っさいな……」
ニヨニヨと意味ありげに笑う健人に憎まれ口を叩いていると、二人に近づく影があった。それは勿論、二人の行為を見ていたスーツの男だ。
「君、エロいね……その身体にかけたいんだけど、いいかな?」
「……変態」
話しかけながらも扱く手は止めておらず、白濁が見えることから最低でも健人と明の行為を見ながら一回は出しているだろう。
それを見て、明は先程の色目とは違い、目の前の男をきつく睨みつけた。しかし、それは明だけのことだった。
「あは。おっさん、もったいぶんなよ……明、しゃぶってやれ」
「は……? 健人、正気?」
なんで。仲間で回すことはあっても、外部はテリトリーに入れなかったくせに。
あまりにも愉快な声に明の瞳が揺れる。けれど、健人から返ってきたのは強い視線だった。
「しゃぶれ」
「っ」
最悪。
明は一瞬だけ唇を噛み、知らない男のそそり勃つモノを咥えた。
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