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【番外編】金と黒 11
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「急にどうしたの? なにかあった?」
「祐馬に会いたくなったからだよ。それだけ」
どうしてこうなってしまったのだろう。
祐馬から返信が来る前に、明は冷静になって後悔していた。しかし、今更この発言を撤回することは出来ない。急なことだし、祐馬に予定が入っていたらいいのだけどと思っていたのだが、明は祐馬を甘く見ていた。
祐馬は、明のためなら予定を空ける人物だった。しばらく経ってから返信が来て内容を見ると、夕方からなら会えるとのこと。その内容に明は憂鬱な気分になる。
もう後戻りは出来ない。どちらかの家は気が引けたので、ラブホテルへ行くことをメッセージで交わした。
部屋に入って、早速祐馬をベッドに押し倒す。その上に明は馬乗りになり、尻で祐馬の下半身を刺激すると、尻を鷲掴みにされたあとに揉みしだかれて。
「ねえ、せっかくラブホに来たんだしさ、遊ぼうよ。祐馬の好きなプレイしていいし、玩具使ってもいいよ」
「凄いサービス良いじゃん」
「……普通には飽きたの。ちょっとした刺激があったほうが楽しいでしょ?」
こうなったからには激しく抱いて欲しかった。健人のことを忘れられるように壊して欲しい。そして、泥のように眠りたい。
「埋め合わせ以上に抱いていいよ?」
祐馬の胸板に顔を乗せて囁けば、ぐるりと身体が回転して今度は明が祐馬に押し倒されていた。首筋に、はあと吐息があたり、肌を吸われ、明の身体に甘い痺れが起こった。
自分には祐馬がいる。空いてしまった穴は祐馬が埋めてくれる。これでいい。
偽りだとわかっていても、一度進んだ先に温もりを感じてしまえばすぐには手放せなかった。
目まぐるしい快楽に、明の視界はぼんやりしていた。今、祐馬はどんな顔をしているのだろう、と考えているうちに次の絶頂がやってくる。
気持ち良い。苦しい。消えてしまいたい。もうなにもわからない。
「もっと……ゆう、ま、もっと……きて」
最初は避妊具を着けていたが、二回目からは中に出されて、結合部は祐馬の体液と潤滑油が混じり、ぐちゅぐちゅと濡れていた。そして、その奥には先に入れておいたローターが仕込まれている。絶頂が近づくにつれ、振動を強くされて、その時には意識が何度も飛びそうになった。
明は意識がなくなるまで、ただひたすらに祐馬を求める。泣き啜るような声に祐馬も応えてくれて、何回も交じり合って。
「明って、そんなに……乱れるんだ? ハプバーでする時と、全然違うんだけど……声も、表情も」
祐馬の言う通り、こんな姿は初めて見せるかもしれない。自分でもわからないくらいに弱っていた。
(健人……)
今頃は凛と二人で、自分と同じことでもしているのだろうか。だとすれば、あちらはきっと幸せそうだろう。
「や……あっ、祐馬……いい、祐馬、ゆうま……」
消そうとしても、ふとした時に健人の姿が思い浮かぶ。
どうして……と明の胸が痛くなった。想像なんてしたくない。どうやっても傷ついてしまうだけ。わかっているのに、そこら中に健人の記憶が焼きついていて離れない。
──別にお前がどこでどうしようと、どうでもいいわ。
健人にとっては、どうでもいい存在なのに。
明は祐馬の名前を呼び、奥まで来て欲しいと自ら脚をM字に大きく開いた。すると、祐馬の手が膝に添えられて、ぐっとシーツに押さえつけられる。少し痛みが走って顔を歪めたが、そのぶん挿入は深くなった。
「もっと?」
問いかけてくる声に明は何度も頷く。
それから、カチ、という音がして、ローターの振動を下腹部に感じた。その振動は次第に強くなり、はっと息を吸い込む。すでに明の目の前には星が散らばっていて、少しでも耐えようと力が入った内壁が祐馬のペニスをきゅうきゅうと締めつけた。
そして、祐馬も本能剥き出しに明へ腰を押しつけてきて。もう最後のほうは下半身の感覚なんてなくて、明は背中を反らせて啜り泣いた。
「祐馬、いい……あ、あっ……いい、イく、イく……!」
ビクビクと身体が跳ね、真っ白になる。ドライも数回極めていたが、これがどちらかなんて疲れ果てた明にはわからなかった。
明がイったあと、すぐにじゅわっと腹の中が温かくなる。それを感じていたら、視界が外側から暗くなり始めて。
(やっと、眠れる……)
なぜかそこに安心感を感じた明は、意識を失うように眠りについた。
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