生まれながらに全身が飴でできていた少年の物語。

人口の1割を占めるようになった「亜人」を、人類が認めてから幾年もの時が過ぎた。

以降も、亜人の数はゆるやかにだが増え続け、現在、その数は人類の3割に達していた。

亜人には、国家への身体および能力の特徴の開示の責任がある。
だが、その情報の特殊性ゆえに、法で定められた非常に限定的な状況でしか他者に知られることはない。
そのために亜人の研究も進まず、その原理も不明のまま。
表面上、ふつうの人間と大差ない部類の亜人は、政府や家族以外には亜人ということをひた隠しにし、過ごす者も多かった。

やむなく全寮制の私立滝上高校に通うことになった新一年生、山原 亮平(やんばら りょうへい)もまた、その一人。

亮平の「特徴」は、肉体のすべてが「飴」であることだった。