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人生ゲーム
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「うわ俺、農民かよ…」
西村部長から順に年功序列でルーレットを回して行く。
「僕は王子ですね」
僕が王子。
最初の振り出しで職業が決まって行く。
「もうこの時点で貧富の差歴然っすね」
島くんはくすくす笑う。釣られて、レンも笑っていた。
この後、レンは魔法使いで、島くんは平民。
最初の役職は結構重要で、後々止まったマス次第では税金や給料の差があったり、ショートカットが出来たり出来なかったりする。
「えええっ、農民は重い税により餓死…スタートへ戻るって酷い」
「農民弱え!」
「小笠原合宿は遠ざかりましたね」
部長へ投げられる容赦ない言葉たち。
「お前ら、覚えとけよ…あ。転生で魔王なれたわ」
「能力は……一回きり、先頭の人間を半分コマ削れるみたいだな」
「ちょ!部長の鬼!やめてえ!」
先頭は僕。順調だったのに。
「運のない王子だねえ」
ププ、と横で笑うレン。
「五月蝿い!この暗黒魔法使い!!」
わいわいと賑やかな部室。
毎度、何かを賭けてやるので、人生ゲームといえど皆が真剣になる。
次いでサイコロを振ったのはレン。
「わ、ラッキ。俺魔法使いの能力で50マス免除みたい」
皆んなが苦戦する中、一気に皆を抜かして行った。
_______
____
それでも最後の最後までどうなるか分からないのが人生ゲーム。
レンはゴール直前で振り出しに戻るマスに運悪く乗ってしまい、僕は途中の戦争に王子として駆り出され休みが続き、魔王は王子に退治され、再度振り出しへ。
結局勝ったのは、平民の島くんだった。
「この人生ゲーム、かっこいい名前の役職全部、難易度高くない?」
レンが冷静に分析する。
「確かに、ペナルティー系、平民は何も無かったですね」
「平民最強だな」
「そうだね」
島くんは目をキラキラさせて、希望の合宿先を連呼する。
「ディズニーですよ!ディズニー!お願いしまっす!」
ディズニーの側には、安く泊まれるユースホテルがある。
そこで夜は過ごすことになるだろう。
問題は、合宿費用だ。
合計5人、シーとランドに最低2日は入るから15000×5人
そして、宿代の4000円×2晩×5人
飯代3000×3日×5
簡単に見積もっても、最低13万。
ここに加えて、ディズニーの服や被り物をお揃いで買おうぜ、なんて意見を絶対誰かは言うと思うので、追加1万×5人×2日で、
合計23万必要だ。
これは、毎年写真部が独自に写真を売買して稼ぐ習わしがある。
その為、贅沢に合宿先を選べるのだ。
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