アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
編集作業
-
「このUSBに入れてるから」
アキラ先輩から受け取ったものをパソコンに繋ぎ見て見ると、朝晩や温度の変化で撮影に影響がある桜など、傑作の物が沢山入ってあった。
「この一年、この日の為にずっと撮ってたんですか?」
にこりと微笑む彼。
「僕は写真が好きだから」
流石アキラ先輩。
彼は、常にカメラを持ち歩いていて、いつも心に留めたい瞬間を探している。
高校生なのに、業界ではちょっぴり有名なカメラマン。
得意なものは風景画。
その中でも主に廃墟を取り扱っている。
たまにゲームやアニメのモデルとしても、写真を提供しているらしい。
「ほんとは皆で花見しに行くのも良いかなって思うんだけどね」
その言葉を聞いて、隣でホームページの編集をしていた島が乗ってきた。
「花見いいですね!俺行きたいです!」
部長も頷く。
「良いんじゃないか。近くの河川敷で花見やってたよな」
パソコンカチカチと天気予報を調べる島くん。
しかし、お目当のページを開いたのち、泣きそうな声で訴えた。
「でも、この週末には大雨ですよ!桜ちっちゃうかも!」
「明日の放課後、夜桜を見に行くのはどうかな?」
副部長が言うと、部員は全員賛成の色を見せた。
「そうと決まれば役割分担ですね!俺、ジュース持っていくっすよ!」
島くんが先陣切って口を開いた。
「なら昼のうちに、僕とレンでおにぎり作っとくね」
学校の家庭科室は、希望すればいつでも使用可能だ。
僕とレンはこういうとき決まって食事を担当している。
ちらっと見ると、レンも同意の色を示していた。
「それは助かる!心強い!」
副部長がにこっと笑う。
「ハル先輩女子力高っ!」
高校に入って始めての校外活動。
島くんは随分驚いたようだ。
「あんまり期待しないでね」
僕も、ハードルを上げ過ぎないように事前に言っておく。
「俺らはレジャーシートと場所取りだな。明日5限で授業終わりだから」
部長が言うと、アキラ先輩も頷いた。
3年生は明日外部での用事があるとかで終わりが早いらしい。
「せっかくだし、浴衣着てみようよ。先輩のお古、棚に残ってたと思うんだよね」
副部長は皆に合う浴衣を探してくれた。
早速水道で洗って部の外に干した。
「やりたいこと、直ぐにやらせてくれて、この部活って凄いよね」
僕はこそっとレンに耳打ちする。
すると、レンも同じことを思っていたみたいだった。
明日が待ち遠しい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 46