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これは、僕の秘密。
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「レンー、お風呂上がったよー」
僕が風呂から上がると、レンは居間のソファで横になって吐息を立てていた。
「起きて、風邪引いちゃうよ」
机の上にはパソコンやカメラが散乱している。
パソコンの液晶画面には、今日撮った写真が表情されていた。
写真のこととなると、熱心な彼。
加工は絶対にしない。
実力で勝負をしたい。
そういう彼のモットーがある。
だから、僕たち写真部員は時間がどれだけかかってもそれに応えたいと思っている。
僕は彼が起きないのを確認して、ソファの空いたスペースに座った。
彼の頬に少しだけ触れてみる。
ふわっと、かすかに彼の匂いがした。
思わず顔が緩んでしまう。
鼻が高くて、スッキリとした顔。
二重で、まつ毛が長い。
男性らしい骨ばった身体。
と、右耳に小さなホクロがあるのに気がついた。
小さな発見。
でも、心が思わず跳ねる。
10年間、ずっと一緒にいたのに気づかなかった。
そっと自分の胸に手を当ててみる。
心臓の音がいつもより速い。
僕、本当にレンが好きなんだ。
改めて自覚する。
勘違いなんかじゃない。
でも、これは口にできない。
叶わない、恋。
口にすれば、全てが崩れてしまう。
今まで僕にしてくれた一生分の恩を、裏切ってしまうことになる。
これは、僕の秘密。
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