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ネタと写真部男子
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午前8時。
次にやって来たのは島くん。
「おはようございまーす!」
「おはよう島くん」
彼はコンビニで僕らの朝飯を買ってきてくれた。
気の利いた後輩。
コンビニのレジ袋から、野菜ジュースやおにぎり、冷麺などが出て来た。
「泉先輩は鮭おにぎり取ると思ってました!」
「レンって確かにいつもそれだよね」
それまで野菜ジュースを飲んでいた島くんは、目を輝かせながら口を開く。
「ってことは寿司はサーモン、好きですか?」
勿論と頷くレン。
一方で何の脈絡も無かったように感じる僕。
「えっ、なんでそれが繋がるの?」
「先輩知らないんっすか?」
真剣に首をかしげる僕。
「サーモンと鮭って同じなんですよ」
「えええっ、そうなの!?」
衝撃の事実に、疑いが隠せず急いでケータイで調べてみる。
確かに、そうだと書かれてあった。
「先輩の反応って女の子みたいで可愛いっす」
なんだろうこのデジャブ感。
花見の席でもあったような…。
こういうことって常識なんだろうか。
でもどこでそんな情報仕入れてるんだろう。
島くんはそんなこと御構い無しに寿司ネタを続ける。
「サーモンといえば、チーズ乗せ炙りサーモンですよね」
今まで黙々と飯を食べていたレンも首を上げて、島くんの顔を見た。
「分かってんじゃん、島」
すっかり意気投合した2人は、寿司の話で盛り上がる。
でも、途中からどうやら脱線して来たらしい。
擬人化の話になっていた。
「副部長と泉先輩って、写男の土台みたいなもんだから、シャリですよねー」
「で、オレとハル先輩が花形のトロとサーモン」
「じゃあ西村部長は?」
レンの問いに、島くんは長考する。
「うーん、部長は…ラーメンじゃないですか?」
くすっと笑みが溢れた。
別に軽蔑や侮蔑の意味のじゃない。
島くんの擬人化に同調してか、もっと深い、ちょっとした意味が見えたから。
「単体だったら売り物にならないけど、揃ってるから寿司屋として成立するんだもんね」
写真部男子。
僕が写男のみんなと居て居心地がいいのは、なんだかんだで皆個性があって、受け入れあって、いい具合に均衡が取れているから。
僕は皆んなで一緒に、いろんな活動に積極的に参加できているのも好きだ。
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