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ジュウイチ
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リンゴを剥いて出してあげると
2人は俺が先だと言わんばかりに手を伸ばす
「佐藤さん…は、学生さんですか?」
口をモグモグとさせながら俺に聞いてくる千春くん
「ううん、学生じゃなくて先生。まだ、見習いなんだけどね」
「先生っ…」
へー、と特に興味の無さそうな返事をする千夏と
少し驚いた様子の千春くん
顔は同じ双子なのに、こうも反応違うのか
「あ、ちなみに俺のことは千里って呼んで」
「千里?」
「うん。」
千夏には千里と呼ばれたい
もうあの時の千夏はどこにもいないけど
千夏に千里と呼ばれるだけで意味がある気がする
俺の欠けていた部分を埋めてくれるような
「……先生は彼女とかいるんですか?」
千春くんが顔を俯き加減で話すから
表情が見えない
「……今はいないよ」
今も昔も俺の心を動かせるのは千夏だけ。
何度も忘れようとしたけど、頭に浮かんでくるのはいつもあいつの顔だった
「へー、千里先生、モテそうなのにな!」
グデーンとリンゴを食べるだけ食べて寝転がる
千夏
本当にそんなこと思ってくれてんのか?
怪しい答えでも、どこか期待してしまう自分がいることに俺は戸惑った
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