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侍女
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食事が運ばれる時間帯、顔を隠せるフードつきのローブを纏う。
顔を見せてはいけないと厳命されているため毎回、口までフードを引っ張って隠している。
侍女が部屋に入って来てカチャカチャ音が鳴る。チラッと隙間から食事の準備がすんだのを確認してテーブルにつく。
「いただきます」
小さく声に出し、スープを口にいれた。侍女たちはベッドのシーツを代えたり、光魔法で浄化掃除してくれている。
部屋に入れる時間帯が決まっていて、食事中にしかできない。働く人の横で一人食事していて申し訳ない。
「ん?」
スープを口にいれるたびにピリッとしたわずかな苦味のようなものを感じた。
腐ってる?もう一口食べる。
「けほっ」
喉が詰まるような違和感。一度、咳込むと止まらなくなった。
「ゴホッ、ゴホッゴホッ、――ゴフッ」
大きく咳を吐くと口を押さえていた手にドロッとした液体がついた。
真っ赤な血だった。
「うぐっ、ゴホッ」
血を吐くと一気に苦しくなった。揺らいだ身体が床に倒れる。侍女たちが悲鳴をあげて部屋から出て行った。
「ふっ、ははははっ」
苦しむ意識の中、女性の高笑いが聞こえた。
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