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駅前のカフェに入ると青森が来るまで珈琲を飲みながら持って来た本を開く。
少しでも心を落ち着けたくて、要の本を一冊拝借してきたのだ。
普段新聞は読むが小説はほとんど読まない。まぁそんな時間がないのもあるが、現実ではない話に夢中になれる性格ではないのだ。
これは、要の愛読書だったか。
嵐が丘。俺のことをエドガーとか何とか言っていたことがあるな‥。この優しくて金持ちでスマートな男のことか。
要は俺のことを過大評価しすぎているんだよな‥‥。
困ったやつだ。
そこへ青森がやってきた。
「岡田‥。」
「座れよ。」
同じくブラックの珈琲を買ってきた青森次長だったが飲む気分にならないのか口を付けないままだった。
「おい。お前、何してくれてるんだよ。自分がやったこと分かってるのか?」
「あぁ‥‥‥‥悪いと思ってる‥。」
「悪いと思ってるで済むかよ。脅して犯すなんて犯罪だぞ。ましてや自分の管轄してる受付嬢にそんなの風に手を出して。」
「だがお前だって遊びじゃないのか。俺は真剣だった。確かにやり方は間違った‥と思う。あの子を手に入れたかった。あの子は俺にとって特別なんだ‥。お前、中途半端に付き合ってるなら別れてやってくれよ‥。」
ドンッ!とテーブルを叩く音が響く。
「なんだと‥‥!!ふざけるのもいい加減にしろっ!こっちは殴ってやりたいのを必死に我慢してるんだ!お互い大人だしな。これがドラマの世界ならお前はぶっ飛ばされてるよ。」
「でもお前、誰にも興味なさそうにしてたじゃないか。男にも女にも。秘書だってあんな美人な黒枝さんがついてるのに、みんな言ってるぜ。」
まずい‥‥俺、自制が効かなくなりそうだ‥‥‥
「悪いが外で話そう。お前と話しても埒があかなそうだがな。」
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