アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
66
-
僕の、斜め前にいる彼の後ろ姿は、かっこいい。
頬杖を付いている折れてしまいそうなその細い腕
リズムを刻んでいる指を見ていると、彼が生きていることを実感する
すると、教室がいきなりざわめいた
やったー、とか、この席がいい、とか言っているから、席替えをするのかもしれない。
廣川くんの、隣…
「…ふっ」
…これじゃあまるで、少女漫画のヒロインみたいじゃないか。
そんなことを思って、ふと笑ってしまった
ガタガタという椅子の喧しい音とともにみんなが立ち上がる
合わせて僕も立ち上がる
気をつけ、礼、さようなら。
日直の号令でみんなが帰宅し始めた
「茜、また明日ね!」
「うん、バイバイ」
凛のことはもちろん好きだし、凛と一緒に帰れないのは残念だと思う。
しかしその気持ちのその奥には、凛がいてくれなくて廣川くんと2人きりになれると思う喜びだった
「さ、茜。行こうか」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
66 / 77